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人生の主役は、いつも自分自身。家族と協力して、もっと輝ける舞台へ

 株式会社シーボン 代表取締役兼執行役員社長  金子靖代さん

全国に111の直営店を持つ化粧品販売のシーボン。社員のうち、女性の割合は93%にもなります。店長職などキャリアアップの機会も充実させ、女性が働きやすい環境を築き上げてきました。

そんな女性を輝かせるためのビジネスを続けてきた会社の取り組みや哲学を、株式会社シーボン 代表取締役兼執行役員社長の金子靖代さんにインタビューしました。

美を創造し演出することが、お客様の人生をより良いものにしていく

ーまず、シーボンの設立の経緯や事業内容を教えてください。

化粧品の製造販売事業で、1966年に設立しました。創業当時は自社製品を訪問販売していたのですが、1980年代に入り女性が社会に進出していくに伴い、自宅にいる時間が短くなっていったんです。訪問販売という方法が取りにくくなったことで、現在のような直営店での販売に切り替えました。直営店はサロンという形式を取り、販売に加え、お肌のお手入れもしています。

化粧品を扱う企業は製造と販売のみをしていることが多いのですが、シーボンは販売のあとのアフターサービスに特徴があります。具体的には、概ね月に一、二度お客様にサロンにご来店いただき、お肌のチェックや美顔マッサージを受けていただくような内容です。お肌の状態を解析するシステムを使って、継続してご使用いただいている化粧品の効果を実感していただきます。スキンケアは毎日繰り返すものですから、リピート購入してくださるお客様をしっかりとケアしていくスタイルです。

シーボンが初めてのお客様には、2時間ほどのトライアルプランで化粧品とアフターサービスを体験していただくことができます。この取り組みでお客様の定着率は大きく上がりました。高級な化粧品を使っても、本当に効果があるかどうかというのはなかなかわからないものです。なので、実際に効果を実感していただくことで長く使っていただけるようになっています。親子2代でシーボンをご愛用くださっているという方もたくさんいらっしゃいますね。

ー創業以来大事にしてきたビジョンはありますか。

企業理念は、「美を創出し、演出する」ということです。化粧品を扱っているので美を意識するのは当然なのですが、ビジネスモデルとして化粧品を販売するだけでなくアフターサービスを通じて、お客様の人生を輝かせるお手伝いをさせていただくということです。

女性は美しくなるための努力をしていくことで、人生の質が高くなっていくと思っています。例えば、綺麗になると人に褒められるようになる。人に褒められるようになると外に出るのが楽しくなる。外に出るのが楽しくなると新しい出会いもあり、人生の質が変わっていきます。人生の主役は、いつも自分自身。美を創造し演出することが、お客様の人生をより良いものにしていくことに繋がると思うのです。

女性の力を活用し、能力を開発してきた

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ー女性が働きやすい環境を作るための考え方や取り組みを教えてください。

今、女性活躍推進が注目されていますが、私たちは創業当初から女性を輝かせることに取り組んできました。これはお客様に対してだけでなく、シーボンで働く社員全員に同じ事が言えます。現在シーボンの社員のうち、女性の割合は93%にもなり、管理職についている女性社員も87%と非常に高い割合となっています。

シーボンには直営店が111店舗ありますが、店長職はすべて女性です。これには、女性の方が黒字運営に長けているからという理由があるんです。日本では、女性が家計を預かりますよね。家計は黒字運営じゃないと回らないことを女性はよくわかっています。例えば、ご主人の会社がうまくいかなくなってお給料がカットされても、その中でうまくやりくりをするわけです。こういった力を経営に生かすために、能力の開発を進めてきました。

長期的に同じワークスタイルで働き続けることが前提になっている会社の場合、キャリアアップに長い下積みが必要になることがあります。でも女性は結婚や出産などのライフイベントでワークスタイルが変わることも多いので、シーボンでは比較的早い時期にリーダーとしての経験を積ませるようにしています。新卒で入って2年目くらいで店長になる人もいるんですよ。身近に目指せるロールモデルがいることで「自分にもできる、自分もやりたい」という思いでキャリアアップを目指すことができます。長期的な下積みを必要とする会社とは、キャリアアップに対しての認識が随分違うと思います。

人材を早く引き上げますから、当然会社としては高いリスクがあります。素晴らしいリーダーになったとしても、結婚して子供ができて育児休暇に入るようなことが発生するわけですね。だからこそ、一旦そういったライフイベントで仕事を離れても、また仕事に戻れるような環境作りに力を入れてきました。実際、産休や育休に入ったとしても、仕事に復帰する意思がある人がほとんどです。復帰の支援策は充実させていますし、戻るときの不安に対するケアもしています。もちろん産休・育休そのものも、期間を長くしたりショートタイム勤務を取り入れるなど、手厚く制度を整えています。

さらに社員発案で始めた試みとして、ファミリー・デイというものがあります。お子さんやご両親などのご家族に職場に来てもらって、仕事を見てもらうようにしています。お子さんに、お母さんがやっている仕事をちょっと体験してもらったりもするんです。実際に子育てをしている社員の家族を目の当たりにすることで、まだ独身の社員は自分が子供を生んだときのことを想像することができます。そうすることで、お互いの理解に繋がるんですね。支えている側は支えたいという気持ちが高まるし、支えられている側は感謝の気持ちが高まります。この取り組みで、社内の雰囲気は格段に良くなりました。実際に産休・育休をとった社員にアンケートをとってみると、仕事に復帰してから社内の雰囲気に助けられたという声が多いようです。

好き=仕事にする

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ー金子様の仕事の哲学について伺いたいと思います。

哲学というほどのものではありませんが、好きイコール仕事にすることを意識しています。仕事は一つの業務だけではないので、もちろん苦手なものもあります。でも全てひっくるめて好きという気持ちがいつもあれば、人生の中で仕事が大切なものになると思います。

もう一つ、仕事においては周りの目をあまり気にしないというように考え方を切り替えることは大事だと思います。たとえば新しいポジションになったとき、周囲の反応が気になりますよね。女性は会社の中で調和を保ちたい、出しゃばりたくないと感じてしまいがちです。でも、会社は友達を作るところではなく仕事の成果を出すところだと考えることは大事だと思います。

仕事をする上で自分がやりたいと思うことがあったら相手を説得しなければならないし、周りを巻き込む必要もありますよね。そこに必要なのは控え目さではなく、情熱と実行力だったりする。そういうふうに考え方を切り替えられるかどうかが大切だと思います。

自分の人生の主役は自分

ー最後に、キャリア女性に向けたメッセージをお願い致します。

多くの女性は責任あるポジションに任命されると、尻込みしてしまうことも多いかもしれません。でも、ぜひ勇気を出してやっていただきたいと思います。家庭のことを考えると不安になる人もいるかもしれません。「仕事と家庭を両立しろ」と言われるのは女性だけですよね。男の人はそういうふうに言われない。だからこその不安や葛藤もありますが、逆に捉えれば、欲張ることも大切。仕事も成果を出したい。家庭も子供も持ちたい。趣味もしたい。社会貢献もしたい。叶えたい希望がたくさんあっていいんです。結婚しても、母親になっても、自分の人生の主役は自分だと思います。だから人生を欲張る勇気と、実現するための努力をしてください。

最初から何かを諦めるのではなく、まずはやってみて、その中からいい方法を見つけていくことですね。もちろん自分の努力も必要だと思いますが、助けてくれる人も必ず出てきます。すべてのことを自分ですることはできません。誰かの手を借りることは当たり前のことだと、どこかで頭を切り替えなきゃいけないと思うんです。

昔はお母さんが家にいて、お父さんが仕事をして家族を養うという状況が当たり前でした。しかし今はそういう時代ではなくなって、お母さんが仕事をしていることも普通になりましたよね。だからライフイベントを迎えても色々な助けを使って、自分のやりたいことを追求していいと思ってもらいたいです。

そのためには、やはり家族の理解が必要だと思います。今の世の中、女性ばかりに負担がかかることが多いですよね。例えば介護だって、女性がやるという意識はまだまだあると思います。そういう世の中を変えていかなければならないし、そのためにまず夫婦を変えていくべきだとも思います。例えばご主人の会社が育児に手厚い仕組みを作っても、それを活用してご主人が育児や家事に関わっていかなければ意味がありません。そうでなければ、結局女性は仕事を続けられなくなってしまいます。会社の環境がいくら整っていても、肝心の家族が理解を示してくれなければ社会復帰なんてできませんよね。パートナーとお互い理解し合って頑張れる環境を整えていただきたいです。そんな環境作りのお手伝いを、今後はしていきたいと考えています。