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男女に能力の差なんてない。女性が少ない不動産業界にも、活躍のフィールドはある

 株式会社NIKKEI PRO 代表取締役社長  石森真司さん

横浜で不動産業を2006年に創業し、当時、業界のタブーとされていた仲介手数料引き下げに切り込んだ株式会社日京ホールディングス。その創業メンバーであり、さらに同社が掲げる「100業種100社長をつくる」プロジェクトの第1号として新会社NIKKEI PROを設立された石森真司さんに、事業に込めた想いや、不動産という女性の少ない業界における女性活躍の可能性について伺いました。

「家の売買を身近なものにしたい」との想いから手数料半額に挑戦

-御社の事業内容と設立の経緯について教えてください。

NIKKEI PROは、法人のお客様向けに、事業用物件の仲介や従業員向け居住物件の仲介、投資家様向けに投資物件の売買、所有物件の管理、その他買い取りや再販といったサービスを提供していきます。親会社である日京ホールディングスは居住用の不動産売買の仲介をメインにしてきましたが、これまでカバーできていなかった法人様向けサービスに力を入れるために今年2017年に新会社として立ち上げました。

日京ホールディングスは、「100業種100社長をつくる」という大きな目標を掲げ、地元横浜で一番の会社を目指しています。不動産はもちろんのこと、これからは他の業種にもどんどん挑戦して、横浜に住むみなさんのお役に立ちたいと考えているんです。当社の設立は、そうした目標達成のための第一歩として、まずはこれまで培ってきたノウハウが活かせる不動産業で新たな挑戦をするという意味も持っています。

-石森さんは日京ホールディングスの創業メンバーだそうですが、どのような想いで創業されたのでしょうか?

当時はNIKKEIという社名だったのですが、同社代表の望月や私を含めて5人で立ち上げたのが始まりですね。望月とは前職である大手不動産会社で一緒に働いていたのですが、出会った頃から、「不動産会社のイメージを自分たちの手で変えていきたい」という話をしていました。

不動産会社のイメージを悪くしていた一番の理由は、手数料の高さです。不動産売買にかかる手数料というのは、たとえば3,000万円の家を買おうとすると、100万円近い手数料がかかる仕組みでした。他の業界では手数料自由化の動きがあるにもかかわらず、不動産業界では50年も前に基準が作られたまま、基準の上限額を手数料とする古い慣習が続いていたんです。私たちは、そのことに疑問を持ち、手数料を下げることで家の売買をもっと身近なものにしたいという想いで事業をスタートさせました。

手数料を下げても採算がとれるようにするには、当然コストを抑える必要があります。10年前の当時はまだ不動産会社が駅前のロータリー沿いにある一等地に店舗を構え、チラシ広告を出していた時代。しかし、テナント料と広告費を払っていては、コストがかさんでしまいます。そこで私たちは、チラシより安いWeb広告による集客に力を入れ、店舗も駅から少し離れた場所にあるビルに構えることでコストを削減したのです。今でこそWebで家を探すことが一般的になっていますが、当時は不動産会社がWebに力を入れるのは珍しいことでしたね。

-他社が手数料を変えない中、手数料を下げられたことへの反応はどういったものだったのでしょうか?

私たちは手数料を半額にしていましたが、横浜市内には手数料を下げる不動産会社がほとんどなかったことから、業界内でそれはもう強い反発を受けました。業界関係者に歓迎されないことは覚悟していたものの、一部で「あの会社は若いだけで仕事をちゃんとやっていない」などと悪い噂を立てられたり、物件を仲介させてもらえなかったりと、思っていた以上に厳しい状況に立たされました。

ただ、そこで理念を曲げてしまったら、会社の存在意義がなくなってしまいます。若くて人脈もほとんどない私たちでしたが、逆境の中でもお客様に喜んでいただけることを信じて、手数料半額を続けました。その結果、お客様からクチコミでご紹介いただけるようになり、次第に顧客が増えるようになっていったのです。すると、批判的だった業界関係者も私たちの存在を無視できないようになり、だんだんと取り引きをしてもらえるようになっていきました。

おかげさまで、今では同業者との関係も良くなっています。家の売買を身近なものにしたいという理念を変えなかったことが、結果的にお客様の信頼にも、業界内での信頼にもプラスに作用したのだと思います。

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不動産営業の最前線で活躍する女性たち。そこに男女差はない

-不動産業界で女性の活躍を推進することについてはどのような想いをお持ちでしょうか?

業界全体としては、まだ男性社会であることは事実です。しかし、最近では当グループの会社説明会に参加する学生の約半数が女性であることから、この業界で活躍したいという女性が少なくないことも感じています。不動産の仕事は肉体労働のイメージもありますが、大切なのは頭を使ってお客様の考えを先読みする部分。本来、女性が活躍できるはずの仕事なのです。

日京グループのビジネスモデルでは、法人営業を始め、売買や賃貸の営業など、女性が最前線で活躍できる場面がたくさんあります。昨年は営業部の女性全員が売上TOP10に入りました。それぞれが人当たりの良さや提案力を活かして活躍してくれており、そこに男女差を感じることはありません。今年入社した社員も、営業職8名のうちの半数が女性です。彼女たちにも、どんどん女性の視点を活かしていってほしいですね。

-貴グループで活躍されている女性の共通点があれば教えてください。

目標に対する想いや、お客様のためを考える意識が、他の人に比べて強いと感じます。ただし、本人たちは誰かと自分を比べるのではなく、自分で決めた目標に対して進み具合をチェックしながら着実にクリアしているという感じです。彼女たちのすごいところは、順調に進んでいても、怠けることがない点。その背景には、「目標以上の地点に到達できるかどうかは、自分次第」という、さらなる向上心があるようです。

また、売上の上位に入った営業職の女性たちは、将来的に女性だけのチーム、女性だけの店舗を作りたいという想いを持っています。彼女たちはよく、「男性にはできないことを、女性ならではの目線で実現していきたい」と話しています。不動産業界には女性が活躍できるフィールドがありますから、実現できる可能性も十分に高いと考えます。ですから私もその目標を応援していますし、いずれ実現させてあげたいと考えているんです。

-女性の活躍を推進するために取り組まれていることはありますか?

女性社員は若い人が多く、まだ結婚・出産といったライフステージに来ていないのですが、産休・育休をとりやすくするなど女性が長く活躍できる仕組みを作り、促進していく予定です。また、男性社員のパートナーである奥様に対しては、福利厚生の一環として1日ベビーシッターが利用できる制度を導入しています。仕事柄、社員にはどうしてもお客様に呼ばれて休日出勤が発生してしまうこともあるのですが、この制度で奥様の負担を減らし、日頃の感謝を示そうという考えから導入しました。社員には、奥様の息抜きや夫婦でデートをするために使ってもらっています。もちろん会社にとっても、奥様からの理解が得られて社員が働きやすくなれば、十分にメリットがあるわけです。

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「やりたい人」と「言われたからやる人」では成果が明らかに違う

-若手社員が多いとのことですが、若い人が仕事をする上ではどのようなことが大切だと思われますか?

私は採用に携わっていますから、若い方と話す機会はたくさんあります。その中で思うのは、個人の能力には、そこまで差がないということです。だったら、まずはやる気、そして前向きに考える力が大事だと思います。100業種100社長を掲げていますが、自分からやりたいと手を挙げた人には、どんどん任せていきたいと思っています。なぜなら、「やりたい人」と「言われたからやる人」とでは成果が明らかに違うからです。特に、いずれ起業したいというマインドを持っている人は一生懸命仕事をしてくれますし、大きな夢を持って一緒に走ってくれます。そういった人と一緒に仕事をしたいですね。

不動産業界ではインセンティブが高いので、若いうちはお金を稼ぐことをモチベーションに働くのでもいいと思っています。働いてお金を稼いでいく中で、次第に人として熟成されていきます。すると、「稼ぎも大事だけれど、お客様のためにいい仕事をしたい」と考えるようになってくるものです。

女性が少ない業界だからこそ、強いインパクトを与えられる

-最後に、自社の社員の方含め、キャリア女性に向けたメッセージをお願いします。

今は、これまで女性の少なかった業界にも、女性が進出できるようになってきました。不動産業界のように男性社会だったところでも、女性だからダメということは一切ありません。女性ならではのきめ細やかさや男性とは違った目線で、新たなビジネスを見つけることもできると思います。また、女性が少ない業界だからこそ、その業界で起業すれば強いインパクトを与えられるということも考えられます。ぜひ、チャレンジしていってください。

日京ホールディングスはこれまで、業界を変えたいという考えのもと、タブーであった手数料引き下げに挑戦してきました。私は、女性の活躍も業界を変えることにつながると思っています。ですから、女性にもどんどんキャリアを積んで活躍していってほしいですし、やる気のある方には起業などにもチャレンジしてほしいですね。